ヘビ大図鑑 ボア・ニシキヘビ編
またまた特殊な本を紹介したい。大変興味深かった。
現在飼育しているヒョウモントカゲモドキ(レオパ)達は、決して大きくないが流木や石で変化を付けたケージにお気に入りの場所が2,3か所あるようで、大抵はそこに居座ったり手足を投げ出して寝転がっている。その点は僕も大差ない。気に入った場所ができると、他と比べて如何かはあまり拘らず、其処にばかり通う。例えば行きつけの書店は地域最大の店舗ではなく、すぐ隣の商業ビルに入る地域ナンバー2の方にばかり行く。僕が日常的に通うスポーツジムは今年3月早々にコロナ自粛で休業してしまい、まだ営業していたジムの会員になったのだが、結局あまり使うことは無かった。そこがマッチョ養成所であり、筋トレの他はすることが無かったのもある。爬虫類店も最初に入った店が気に入っている。ほんのもう少し足を伸ばせば生体取扱数もずっと多い有名店が2,3軒有るのだが。
その爬虫類店へは午後の遅くない時間を狙って行くので何時も他の客は殆ど居らず、若い店主と爬虫類雑談になる。と言っても僕は初心者なので教えて貰う一方である。例えばレオパのモルフ(品種)に関してや、レオパと近縁のニシアフリカトカゲモドキ(ニシアフ)が最近来ている(流行っている)ことなど。爬虫類に関しては欧米が先進国で日本へは沢山の繁殖個体が入ってきているのだが、コロナの影響で欧米に爬虫類ブームが来ており、幾つかの人気種は今後輸入量が減るかもしれないことなど。特にボールパイソンともう一種(何だったか忘れた)は値上がりしているらしい。
そして販売個体を色々と見せて貰える。個人店舗なので取り扱う種類には多分に店主の趣味が反映されていて、カメは殆ど居ない。趣味以前にアレは世話の手間と場所を取るからかもしれない。逆に充実するのはレオパの他に、現在店主の中で今来ている(だそうだ)ニシアフ、オオトカゲ、そしてヘビ達である。アルビノ個体が多いのも趣味である。この間店に行った際、一通り新入荷の個体を見せて貰った後にそれまでスルーしていたヘビ達を眺めて廻ったら、その中に驚くくらい綺麗な白ヘビが居た。正直なところ僕はアルビノはあまり好きではなく、それは血管が透けて赤く映る目とやや薄ピンクに色が乗った肌に締まりの無さを感じるからだ。でもそのヘビは青く感じるくらいに白一色の肌に真っ黒な目が二つポツンと付いていて、何とも言えない可愛らしさがある。ボールパイソンのモルフの一つであるらしい。
ボールパイソンはモルフのヴァリエーションこそ多く数も出回っているものの、神経が細くて臆病、かつ季節性の拒食もするので一般に言われるほど初心者向けではないそうだ。ヘビの飼育はそれまでも頭を過ぎったことすら無かったのだが、気になってヘビについて色々と尋ねたところ、似たヘビでより飼い易い種として取り出してくれたのがコロンビアレインボーボアとブラジルレインボーボアである。どちらも水面に油膜を張ったような光沢のある鱗を持ち、穏やかで図太い神経を持つ。未だ子ヘビであったがハンドリングする様子を見ていて、俄然興味が沸いてしまった。ちょうど表題書は二か月前に出版されたばかりで、これをシンクロニシティという。『グラップラー刃牙』で死刑囚7人が同時期に脱獄したアレである。
本書は数多いヘビの種の中でも、最も原始的な仲間であるムカシヘビ上科(ボア上科)に属する7科(ドワーフボア科・ツメナシボア科・ボア科・スナボア科・メキシコパイソン科・ニシキヘビ科)に限定した紹介書である。一般にイメージする大蛇は須らくこの仲間であるが、ここに含まれる種の全てが大きくなるとは限らない。成長しても30㎝の種もいる。ボアとパイソンの違いについては、大雑把にボアはアメリカ大陸に生息し、パイソンはアフリカ・ユーラシア・オセアニアに分布する。また前者は卵胎生であり、後者は卵生という違いがある。ここに属する全種はCITES II以上に入る。
各科毎に主要な種の写真と解説、飼育上での注意点が記載される。そう、本書は飼育解説書なのである。現在の流通状況、気性はどうか、ハンドリング可能か、品種改良されている場合はモルフ毎の写真も載せられる。中には余りに希少なために写真すらなく、絵で紹介される種も幾つかいる。これらはグーグルで検索しても殆ど情報が出てこなかった。大蛇を飼育するとして著者が最も推奨するのはオマキニシキヘビ属の仲間である。具体的な種名は無かったが、たぶんカーペットパイソンであろう。この種は爬虫類店店主もボールパイソンとサイズ感(より長いがボールほど太くない)は左程変わらず、且つ扱いやすいと勧めていた。僕は今のところ大蛇を飼うつもりはないが、人の心で100%確かなことなんて無い。なお、「大」を抜けば確率は75%まで下がる。
ボア・パイソンの仲間には人を捕食する可能性のある5種も含まれる。中でも東南アジアに生息するアミメニシキヘビの被害報告件数は最も多いそうで、畑仕事から戻らない人を探したら丸々と腹の膨れた推定7mの当種個体が寝そべっており、腹を裂いたら遺体が出て来たという話がある。筆者は6m超の個体に遭遇し、食われても仕方がないと思ったそうだ。実際の被害数は南米のアナコンダの方が多いという話もある。この仲間は獲物を水中に引きずり込むので被害者は行方不明となってしまうらしい。当然これらの種は特定動物に入るが個人飼育も可能である。もし飼育者が失踪したとすれば、そういうことなのであろう。
ボアに関して面白い話が一つ書いてあった。具体的な種名は覚えていないが、複数個体で協力して狩を行う種がいるらしい。獲物はコウモリとあった。単体で狩るより成功率が格段に上がるそうだ。爬虫類は基本的に単独行動で仲間意識などは一切ない。だた狩のためだけの無機質な協力体制である。
ヘビに関する本では今年に入ってもう一冊、大変興味深い本が出版されている。一般人には飼育できない類のヘビに関する本なのだが、そちらはまた、別の機会に。
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