ロシヤ語四週間

自宅から職場までの通勤路の凡そ半分には街路樹が被さり、小雨程度なら傘をささずに歩ける。この時期であれば直射日光も避けれて有難いことこの上無い。しかし少し前の午後もまだ早い時間、職場から駅に寄る為にと日陰の少ない表通りを歩いたら、たった30分程度なのだが直射日光の暑さで頭がクラクラしてしまった。この時改めて気付いたのだが、陽光が眩しくて目を細めることが増えた様である。使っていない眼鏡フレームもある事だし、もうそろそろサングラスを用意した方が良いのかもしれない。

暑さ関連でもう一つ。春先に、大学生になる姪に僕があまり使っていないノートパソコンをやった際、彼女が通学時にパソコンも持ち運べるようなリュックを買うつもりだと話しており、それならばと近所の石井スポーツ(登山用品店、僕が服やカバンを買うとすればそういう店しか頭にないので)を覗いてみても良い感じのものが見つからなかったので、その時丁度僕がパソコンを入れて持って来たリュック、アークテリクスのスッキリした見た目の防水性の高いもの、を彼女も気に入った様子だったので一緒に譲り渡した。その頃は専らロールバッグと本用の手提げバッグとを両手で提げて物を持ち運ぶようになっていて、無くても良いかと思ったのだった。しかし最近また手が空かないと不便に感じる様になったため、普段用のリュックを一つ購入することにした。

総合的に使い勝手が良いと感じるのは姪に譲ったやつなんだけど、なんだか少し前にモデルチェンジしたらしく、肩ベルトの部分に僕の嫌いな素材が使用されているので候補外。多くの小型リュックで採用されているあの素材、シャツの接触する部分が擦れて毛羽立つ(毛玉ができる)ので、いくら通気性を謳われていても嫌である。そうなると候補は少なく、結局グレゴリーのデイパック(街でよく目にする何十年も前からあるやつ)にする。これを購入するのは3度目になり、最後に使ったのが約20年近く前、その時の物は親父が未だに使っているらしい。

試着時の背中に生地が覆い被さる背負心地に、そうそうコレコレと思いながら購入。さて後日、この暑い中に背負って歩くと、背中の熱が逃げずシャツの背中全面と肩周りが汗でびっしょりになる。そうそう、これが原因で使うのを止めたのだった。物自体の作りにはとても満足で、僕の記憶では以前には付いてなかった背側と蓋側の内部ポケットも本やパソコン、小物を収めるのに便利だし、前々からコレさえ取り外し出来ればと邪魔に感じていたウエストベルトが収納できるように改良されている点は素晴らしいことこの上ない。シンプルな構造も雑に色々と放り込むのに具合が良い。だた、暑い間は手提げ生活が続きそう。

さてポーランド語の息抜きにと始めたロシア語、これが妙に楽しくなったのでもう少し続けることにした。そこで先週から読み始めたのが『ロシヤ語四週間』。章立ての第2週目に入ったところではあるが、これはひょっとしたらかなりの名著なのではなかろうか。四週間シリーズの特徴であろう文法要素が小出しにされる点は、ちょっとした調べものには向かないものの、スラブ系言語のように覚えないといけない文法事項の多い言語では初学者の心的負荷が軽減され、より親切な仕様であろうと思う。例文と練習問題は本書が書かれた当時の時代色が映されていて、今になって読むと中々面白く、時々ニヤッとするとことがある。タイトルのロシ「ヤ」というのがまた良い。今のところ、僕個人としては同シリーズのフィンランド語に並ぶ好著である。

『キクタン ロシア語 入門編』はAudible.comの方で見つけて購入した。軽快で気の抜けた音楽と共にリズムよく発せられるロシア語が楽しく、繰り返し聴いてしまう。このシリーズで僕が聴いた中では中国語が凄く楽しくて、スペイン語も中々良く、他の言語(フランス語、ドイツ語、試聴でベトナム語とタイ語)は今ひとつ。そしてロシア語のできは中国語に迫ると思う。単語の後に続けて読まれるフレーズの方はロシア語音声のみなので意味はよく分からない。初っ端の”отец”(父)の後に続くのが “Память об отце”(父の記憶)だと分かったのは何度か目を聴いた後であった。

語彙力が無いので少しずつ読み始めたのが上の辞書。収録が6000語程度とのことで、英語であれば高校卒業レベルであろうか。単語帳として使うのに丁度良いと思われる。例文が多いのが長所。短所は単語帳としては重いこと。

『パスポート初級フィンランド語辞典』も単語帳として使用。語彙数や全体の構成はロシア語のものと同様。単語が長くなりがちなフィンランド語の語幹部分や合成語の各要素がはっきり分かるのが良い。短所はやはり単語帳としては重い点。フィンランド語にはスマホアプリでオフラインでも使いやすい芬英辞書があったので(例文は無いけど)、そちらも併用している。

先々週、先週末と続けて映画インディージョーンズとミッション・インポシブルを観てきのだが、元々そんなに期待していなかった為か、期待分以上に楽しめた。緩急のつけ方(ほぼ急ばかりだけれど)が熟れていると思う。別の言い方をするなら例の如くの展開。前者の方は以前の活躍から想像できないほど裏寂しい老後の講師生活の描写から始まり、非日常的な事件に巻き込まれる。欲を言えば、再び元の寂しい日常に戻って終わりであればより良かった。後者は主役の若々しさが際立っていた。もう60歳を超えてなかったっけ? 二部作の前編であり、単独でも十分完結しているけど、取り敢えず後編が楽しみである。ジブリの新作は、どうにも気持ちが乗らなくて暫くは観ない積もり。RRRやスラムダンクの例(両方とも近所でまだ上映している)もあるし、半年くらいは放っておいても問題は無いだろう。子供の頃からあれだけお世話になり、千尋までは新作が出る度にワクワクしていたのに、寂しいものである。この寂しさの半分は僕の気持ちの変わり様に対してである。