ニューエクスプレス ロマ(ジプシー)語

マイナーなほど値段が張る

まだ読み始めたばかりだけど、ちょっと面白いので紹介。

思考は言語に依存して変わるという論があったり変わらないという論があったり、どちらが正解か僕にはよくわからないが、事物に対する意識の有り様はある程度依存することがある。例えばアイヌ語は現在の話者分布 (どれ位の割合か知らないが) が日本に (も?) 含まれるので僕は (おそらく多くの人も)「外国語」とは認識し辛い。親近感は有るものの、「母国語」ではないことも明らかだ。なんとなくモヤモヤした印象を持っている。つまりはそういう言葉の所為でそんな認識になっている。

当たり前の話で恐縮だが、そもそも日本語のようにある国の「母国語」として成立する言語は少数派で、「母国語」と「外国語」という分類は国際的には成立しない。「母語 (mother tongue)」とその対義語 (foreign language) で分類すべきなのだろうが、その対義語は浸透していないので表現に困る。「外語」かな?

兎に角、ロマ語も多くの言語と同様にどこかの国の「母国語」ではないし、ヨーロッパの幾つかの国に於いては「外国語」とも言えない。話者であるロマは、一説では1000世紀ごろに北インドから戦乱から逃れてヨーロッパ、北アフリカ方面に放浪してきた人々で、現在の分布などはハッキリとは分からないそうだ。インド・ヨーロッパ語族のインド語派に属する。四つの方言が有るそうなのだが、その名称がイカしている。「鉄鍋職人方言」「熊使い方言」「カルパチア方言」「鋳掛職人方言」。熊使いとは何であろうか。

言語の素性だけでなく、本書は中身も面白い。シリーズ中一番かもしれない (精々5,6冊位しか読んでいないが)。例えば全20章ある章のタイトルを幾つか挙げると、
  第3章 世話が焼けるわね
  第5章 気を付けたまえ、男は狼なのだ
  第6章 トゲトゲの豚よ
  第12章 残念だけど、不吉な夢よ
等など。このシリーズは各章毎に見開きページで会話文、次の見開きで文法事項が解説されるのだが、会話文はタイトルに相応しい内容であり、ちょっと興味深い。コラムと合わせて、ロマの文化が紹介される。ロマ語の語学書など出版する機会はそうそう無いからであろう、著者の張り切り度合いが良く分かる充実度である。因みに邦書では初だそうだ。

実を言えばこれを書いている時点で第3章までしか読んでいない。(会話文の日本語訳だけは全部読んだ。)

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