影を呑んだ少女
最近は自主トレする際にローイングマシンや固定バイクを使っている。単調に身体を動かす30分程度の間はオーディブルで聴き馴染んだタイトルを選んで聴いており、中でも『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は日本語訳で読んだのも合わせて4度目になる筈なのに、出だしから面白くて中々止められず、これを聴くために自主トレに励んだくらい。今回もまた終盤に目頭が熱くなった。
ハーディングを立て続けに読んで本作で三冊目。今回はジブリ色は無く、映像化されるとすれば映画よりはTVドラマ数回分がちょうど良い内容であった。3作の中では最もメリハリが効いていて、『嘘の木』よりも物語に入りやすく、飽きない。ただ、3作の中で読後にどれが最も好きかと聞かれたら、『嘘の木』を挙げる。
時代はピューリタン革命の真っ只中。ある小さな町に母と二人で住む或る少女が主人公である。ある日森の中を歩いていると、人間に虐待されて殺されたクマの霊が突然頭の中に飛び込んできて住み着いてしまう。父親のことは母から何も聞かされていないが、父方はどうやらそういう体質を受け継ぐ一族であるらしい。母と二人で都市へ買い出しに出た際に、理不尽な行動を彼女に課す母への反発から取った迂闊な行動によって二人は革命騒動に巻き込まれ、母親は頭に傷を受けて命を落とす。息を引き取る間際に母親が駆け寄った娘を突き放したことが、後々まで少女のトラウマとなる。そして少女は父方である地方領主の一族へと引き取られる。母はそこから逃亡していたのだった。ここまでが導入部である。
先日からちょっと気に入っているのが『アイヌ神謡集』。横書きで、見開きの左ページにラテン文字表記のアイヌ語、右ページに日本語訳が載る。アイヌ語はわからないが、日本語訳と照らしながら音にして読んでいくとなんだか分かった気になってくるのが少し面白い。僕はいろんな場所でのID等に自分と関係のある物事のアイヌ語単語を使っているので、全く無関係というわけでもない。
女子サッカーW杯は試合結果だけを追いかけているのだけれど、日本は前評判からすれば上出来だったのではないでしょうか。残っている中で応援するとすればオーストラリアかな。通常のサッカーと違って得点差が大きく開いたり強豪がボロ負けしたりする傾向が見られるのはなんでだろう。「女子サッカー」という競技自体が未成熟なのかもね。