シルクロード全史

Audible版

昨年末、下に載せた表紙の上下本が書店に並んでるのを見てaudible版を数年前に購入していたのを思い出し、聴き始めたのが本書である。24時間を超える大作なので、いづれはと思いつつ放置していたのだった。例によって聴き流しているだけだし、未だ三分の一ほど聴いただけなので細かいことは何も書けないのだが、僕の好みの本なので少しだけ紹介したい。

本書はシルクロードと銘打っているものの、内容は東西南北、または新旧大陸間の事物や分化・知識の交流史である(今のところ)。古代ペルシャとアレキサンダーの遠征から話が始まり、フン族やゲルマン人の移動、十字軍、その他多くの民族や個人の移動が各地の文化に及ぼした影響が淡々と語られる。詳しくは書けないが、疫病もこれらの交流や交易路伝いに広まり、社会を変える動力となりうる。紀元前に中国(具体的に何処かは知らない)の齧歯類のコロニーで出現したとみられるペスト菌は14世紀のパンデミックが有名だが、6世紀から8世紀にかけて地中海周辺を中心にエジプトからヨーロッパ北部まで広く伝播したのが第一回目のパンデミックと言われる。これにより人口が激減した東ローマ帝国は衰退の一途を辿る。一方でアルプス以北の西ヨーロッパ地域は交易網が未発達で被害が比較的少なく、これ以降に発展することとなった。

後年、黒死病で知られるペストも発生源は中国であったとされる(諸説あり)。14世紀前半、中国の人口が半減したのはこれが原因と言われる。モンゴル帝国に大打撃を与えて衰退の一因をなし、モンゴル帝国の東西を結ぶ巨大交易網に乗って中央アジア、イスラム世界に瞬く間に広がり、シチリア島に上陸する。その後、毛皮などの流通路であった海の交易路に乗ってヨーロッパ全土に伝播する。その結果の人口減により、停滞したように見える中世ヨーロッパの社会基盤は揺らぎ、封建社会は中央集国家へと変動していくことになる。ペストは英語の歴史にも大きく関わるのだが、ここでは割愛する。そして続く大航海時代の新たな物流と、更なる疫病の伝播と共に、以降ヨーロッパは世界の中心へと成り上がっていく。これを書く時点で聴いたのはここまで。

モンゴルと言えば、しばらく前に読んだ「義経=チンギス・ハン説」の漫画を思い出した。東北から海に逃れた義経は満州に流れ着き、当時部族間で相争っていたモンゴル族の中で台頭して諸部族をまとめ、後のチンギス・ハンとして生きていく、という内容。あっさりしていて割と好きなのだが、お薦めはしない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。