消えたイングランド王国

表題は数年前の帰省時に読んでたいそう面白かった記憶があり、内容もほとんど覚えていなかったので今回の帰省中に再読した。5世紀以前にブリテン島南部を支配していたのがケルト系のブリトン人。その北(スコットランド)には怖いピクト人が住んでおり、時折南下しては住民を脅かしていた。自分たち単独では彼らを抑えられないので、海の向こうにいる屈強な民族(アングロ・サクソン人)を一説では自ら招き入れて瘦せた土地を与え、ピクト人を駆逐してくれるよう願ったのだった。この屈強な人々はピクト人を追い払ってくれたのだが、ブリテン島の豊かさに魅せられた彼らは海の向こうの仲間を呼び込み、イングランドを乗っ取ってしまう。

こうしてイングランドではアングロ・サクソン人の7つの王国(ヘプターキー)が覇を競い、9世紀にウェセックスのエグバードが統一する。一方でブリトン人の王国はウェールズで存続し、後の15世紀にテューダー朝として再びイングランドを支配することになる。エリザベス一世はこのテューダー朝最後の君主である。ここまでの流れは同著者の『ウェールズ抗争史』(タイトルはうろ覚え)でのお話。因みにアーサー王伝説は、実在かどうか不明ではあるが、アングロ・サクソン人の侵入に抵抗したブリトン人の伝承から生まれたそうである。

さて統一後のアングロ・サクソン王国であるが、9世紀(終り頃?)からは更に怖いデーン人(バイキング)の襲撃に悩まされることになり、色々あってデーン人の王がイングランド王を兼ねることになる。10世紀初頭にイングランド王になったクヌートもその一人で、その辺のデーン人の活躍?はマンガ『ヴィンランドサガ』に詳しい。クヌートの息子の死後に一時期サクソン人のハロルド2世が王位に就くが、海峡の対岸を支配するノルマンディー公ギョーム2世にヘイスティングスの戦いで敗れ、ここにアングロ・サクソンの王国は滅亡する。これが所謂ノルマン・コンクエスト。この一連の流れは日本人にとっては大変ややこしく、本書が今現在手元にないので具体的なことは何も書けない。

帰省時、主に新幹線の中で読んでいた本が『本気で学ぶイタリア語』。フランス語とスペイン語に(ラテン語にも)ほんの少しだけ馴染んでいたので、分かりやすいことこの上ない。章末の練習問題はすっ飛ばした。あまりに早く通り過ぎてしまったので動詞の人称変化などの記憶がまるで追い付かず、本書の続編『本気で学ぶ 中・上級イタリア語』(出版年度は前後するようだけれど)を読んでおさらいすることにした。本来の目的から益々逸れていく気がするが、折角なので何か簡単な本を読むまでは続けようと思う。どこで買えるか分からないし、言葉の響きはスペイン語の方が好きなのだけれども。