深海のyrr
久しぶりに書店でタイトルを目にした表題書。なんで今頃また並んでいるのだろうと思ったら、どうやらドラマ化されるそうな。僕のネット購入記録では2008年とあり、もう15年も前になる。因みに原作はドイツ語で、2004年の出版。海洋生物の異常行動や不可思議な現象が世界規模で発生するという内容であり、クーンツの『ファントム』を少し思い起こさせる。カニの場面は印象的なので一寸だけ覚えているが、それ以外は殆ど忘れており、また読むことにした。
いや、聴くことにした。翻訳の所為か使われる英語が平易で、かつ低めの声でゆっくりしたペースで読まれており、大変聴き取りやすい。35時間を超えるボリュームでも多分飽きずに聴き通せるだろう。同時に購入した “The Eagle of the Ninth” (日本語タイトルはサトクリフ著『第九軍団のワシ』岩波少年文庫、ブリテン島駐在のローマ第9軍団の話)を聴くのは少し先になりそう。以下は手短に前回の投稿後に読んだ、読んでいる本など。
先ずは『ルポ 筋肉と脂肪』。アスリートの食生活について取材したというエッセイ。彼らの食生活それ自体はとても興味深いテーマではあるが、科学的・栄養学的な背景に踏み込んで欲しかった。内容にメリハリが無いので流し読み。
著者に痛く感心したのが『千葉から・・・小説家になった話』。この人は引き篭もりと自称してはいるものの、本来的に好奇心と行動力を併せ持った人の様に思われる。本当に外国語を習得したいなら、彼の勉強法はこの上なく参考になる。目から鱗であった。僕はそこまでしないけどね。本書は書き方に少しだけ癖があり、それが気にならないなら楽しめるだろう。加えて、巻末のルーマニア語関連の書籍・映画リストが嬉しい。最もラテン語に近いとされるルーマニア語にちょっと興味が沸いた。
『軍と兵士のローマ帝国』はローマ軍の変遷を共和制時代から西ローマの滅亡までまとめたという内容。ローマ帝国がローマ軍の基盤の上に成立していたことが良く分かる。上に触れた『第九軍団のワシ』は本書を通じて知った。映画は随分前に観たことがあり、面白い。
『アリストテレスの哲学』はつい先日から読み始めた本で、そのうち再度取り上げたい。古臭い印象が拭えないアリストテレスの哲学は、そう感じてしまうほどに深く僕たちの思考に根を下ろしているのである。
古典ギリシャ語学習の方は、アオリストや分詞から何とか這い出したと思ったら、もう一つの動詞変化のタイプ(μi動詞)でまた足を取られてしまい、もうしばらくはその前後を行き来することになりそう。気分転換として少しずつ再読しているのが『ラテン語とギリシャ語』。前回読んだのはラテン語学習時だった。今度は興味の焦点がギリシャ語の方に移っていて、少し新鮮に感じる。ラテン語かギリシャ語に興味が無ければ全く面白くないであろう本である。
寝る前に読んでいた『本気で学ぶスペイン語』は漸く一通り目を通し終わった。半ば辺りから意識し出したのが、例文中の動詞の人称変化や時制変化について行けていない点。スペイン語は動詞が6割である(上の本より)。なので、ウォーミングアップも済んだことだし、『スペイン語文法ライブ講義』その他でもう少し続けることにする。僕が中断していた数年間の内にまた気になるテキストが幾つか出ていた。
最後に、久しぶりに映画を観て来た。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』。昨年に予告を観て以来楽しみにしていた映画で、典型的なアドベンチャーものではあるが、テンポが良くとても楽しめた。ティーフリング(半悪魔の種族)のドルイド役の子が可愛らしい。元ネタのゲームを知らない人も多分楽しめるであろう。