ヨーロッパの言語

またあんまり読めていないので一寸だけ。書店でふと目に留まって購入した本だけど、これがものすごく面白い。ヨーロッパの言語に興味が無い人には退屈かもしれないが、僕には一節一節が腑に落ちることの連続であった。例えば、新書にしては長くて濃い導入個所(はじめに、の部分)を超えて第一章目にまず出てくるのがウェルギリウスの『農耕詩』の一文;
 なんといっても大地には、
 もともとものを生んで成す
 力がひそんでいるゆえに、
原文は “Quippe solo natura subest.”。ここでは “natura” は「ものを生んで成す力」と訳されており、日本語(あるいは他の現代語)に翻訳すると比較的長くなってしまう理由が語源まで遡って解説される。具体的にはこの言葉の語根 “na-” の箇所が問題になるのだが、それをここで素人の僕が手短に紹介するには余りに深い内容であった。気になる人はぜひ読んでもらいたい。この種の話が延々と続くので、語源等が好きな人には堪らないであろう。僕は寝床用と携帯用に2冊購入した。ちゃんと読んだら改めて紹介したい本である。以上。