ラテン語を読む キケロ―「スキーピオーの夢」
『古典ラテン語文典』の文法解説部分(第二部まで)をようやく読み終わった。特に後半は日本語の解説そのものが難しく、これをもし一冊目の学習書に選んだとしたらラテン語が嫌いになることは粗間違いない。僕も少し嫌いになった。本書はその後ろに第三部として文章読解が付いているが、ちょっと眺めて僕には難しく感じたので止め、表題書を読むことにする。「辞書を引いてラテン語で書かれた作品を読み解きたい」というラテン語学習者の夢を実現させた、とどこかに書いてあるように、本書はその第一歩目を手取り足取りサポートしてくれる解説書である。『スキピオーの夢』はキケローの『国家について』の最終巻にあたり、比較的短い全文が順次小出しに載せられ、そこに含まれる全ての単語に文法的解説が付く。もう過剰な程に。「辞書を引いて」と書いてあるものの、辞書は全く要らない。それでも長い文などは単語同士を上手く組み合わすことができず、少しパズル的な要素を感じる。単語の意味さえある程度分かれば語順通りに読んで自然と意味が浮かび上がる英語とはやっぱり違うのである。
以下はAudibleで聴いた・現在聴いているタイトル二つ。一つ目はルービックキューブの開発者であるエルノー・ルービック・(ハンガリー人なので正式にはルービック・エルノー)の自伝である。この本、Audible版を聴き始める前に日本語版を購入していたのだが、Audible版がすごく聴きやすいのでそちらで済ませた。実に感心する考え方をする人で、ちゃんと覚えてないけれど例えば「無力さを感じた後に創造が始まる」、「失敗する勇気を持たねばならない。失敗無くして、本当の意味で物事を上手くやることはできないからである」などなど。お勧めである。ルービックキューブは子供の知性発達にいろんな面で役立つそうだが、その中に忍耐力(根気)が挙げられている。僕自身はルービックキューブにあまり触れていない。ようやく物心が付き始めた頃、祖父母の家にはまだ独身の叔母が住んでいて、多分彼女のものであろうキューブが置いてあったのだが、少し弄って無理と感じ、直ぐに放り出したことを覚えている。忍耐力をつけるチャンスを不意にしてしまったようである。
少し前から聴いているのが “Survival of the Friendliest” 。ヒトの協調行動について進化生物学的側面から考察した読み物である。『キューブ』と同様、これも読み手の英語がとても聴き取りやすく、内容も面白いのでお勧め。日本語訳があるのかは分からない。ヒトの赤ちゃんは言語や歩行を覚える前(生後6か月位だったかな?)に何かを指し示すことができるようになる。これはもちろん協調行動の芽生えである。そしてこの「指し示し」は(詳細は覚えていないが)チンパンジーでは機能しないらしい。ヒトの知性や言語能力はこの協調性を補強するために発達したのかもしれないなあと思うのであった。有名なキツネの交配実験も登場する。
コロナの前後あたりから、経費削減の為か長らく通っているスポーツジムで少しハードなクラス(サーキットトレーニングとかHIITとか)が消え、緩いレッスンばかりになりつつある。キツイのは参加者が少ないので仕方がないのだが、僕が出たいクラスが6月にはとうとう無くなってしまった。なので5月は近場の他のスポーツジムを巡って体験参加し、最終的に総合格闘技ジムに落ち着いた。駅の南北に2館あり、どちらに参加してもいいのだけれど僕が通うのは初心者向けの北館。ここにサーキットトレーニング類が幾コマ入っており、僕の要望に割と合うのである。ついでにパンチやキックの練習もできるし。ミット打ちやキックは初体験である。格闘技経験のない人はボール以外の何かをある程度の力で蹴ったことは無いだろうから、ぜひ体験して頂きたい。すごく気持ちいいのである。この先において、今この時点が年齢を考えると体力の頂点に違いない。体がまだまだ動くうちに新しいことを始めるには良い機会であった。いつか南館にも行く。怖いけど。