本好きの人が集ってくれる。これがこの会の特徴であり楽しさの源泉です。本好きの人が紹介してくれる本は面白い。そして本好きの人との会話は面白い。
なんの本だったか忘れましたが、私が持ち寄った本の紹介において、種子島に鉄砲が伝わる100年以上前に平戸藩では実戦で鉄砲を用いていたこと。そして、それと松浦海賊の関係などについて語ると、典さんは本を読んで来た私以上に松浦海賊について熱く語り始め、さらに怜さんは種子島に鉄砲が伝わってから少し後の時代、実は世界中で日本が一番鉄砲を保有していたことなどを教えてくれ、予想外に会話が盛り上がりました。このような思いがけない会話の展開を楽しめるのがこの読書会の醍醐味です。
つい先日は熊さんが倍音にまつわる話をしバッハのバイオリンソナタと パルティータ について語り始めると、これまた博識の典さんが シャコンヌ のことですか?という私には意味不明の言葉で突っ込みを入れ、それをきっかけにしばし2人で音楽の話題で盛り上がっていました。私にはシャコンヌもパルティータも初めて耳にする単語で、彼らの会話はチンプンカンプンでしたが、それらの単語を使った楽し気な会話に接しているとまだまだ自分の知らない楽しそうなことが山ほどあるんだということが感ぜられ、脳みそを心地よく刺激されました。
そしてごく稀にですが2時間の読書会を通じて感動を覚えることもあります。本のテーマの縛りはいつもゆるく、様々なジャンルの本が持ち寄られます。その時も新書あり、児童文学あり、宗教解説本あり、小説ありの多様な本が持ち寄られていました。しかし各自の本の紹介が進むにつれ、 それぞれ無関係に思われた本の内容が少しずつ繋がっていき、最後には最初のテーマとは全く別の思いもよらない隠れたテーマが浮かび上がり、その場のドラマチックな展開に痺れました。その時の参加者全員が少し興奮していたのを覚えています。
このような貴重な機会、人とのつながり、本とのつながりを与えてくれる場が、東京ヨムヨムズという読書会です。
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