実在とは何か

現在、異世界転生(召喚)ものの漫画に嵌っている。大半はラノベが原作だろうと思う。コンピューターゲームの様な剣と魔法のファンタジー世界を舞台にする点はどれも一緒で、以下幾つかのパターンに分かれるようである。主人公が元世界(現実世界か、また別のファンタジー世界)で死んで、転生するケース。この場合は主人公が生前の記憶や能力を保持しており、それらを駆使して欲しいままに大活躍(無双、やりたい放題ともいう)する。あるいは生身のまま召喚されるケース。この場合の多くは召喚者側が願った能力を主人公が持っておらず、召喚された世界に放出されて、気ままに生活しながら、でもしっかりと大活躍する。また、転生・召喚とは違うが、冒険者パーティ(というものがほぼ必ず有る。この手のゲームに疎い人のために一応言っておくと、モンスターを倒すなど冒険に於いてメンバーが各役割を分担する、バスケットチームのようなもの)で不要だからと解雇され、しかし実はチームの要だったというお話も典型である。主人公が抜けた為に元パーティが苦戦する話が必ず挿入される。

余りに同じような展開ばかりなので、何か作話のテンプレートが存在するか、または「こういうお題でお話を作ろう」的なコンペティションが有ったのかと勘繰りたくなるが、どうも空想にも流行の波が有るのかもしれない。つまり、今現在の日本の若者の間では、空想上の異世界とは剣と魔法のファンタジーのことで、剣と魔法のファンタジーとはD&D的な(またはドラクエ的な)アレである、という形式が安易に成立しているのかも。先行作品の真似や追随(悪く言えば剽窃)もあるだろう。ひょっとしたらお約束事が既に広く認知されているので説明の手間が省けて作話が楽だから、という単純な理由かな。いずれにせよ、僕もこういうお約束ファンタジーは好きだから、明るめの展開のお話であれば結構楽しめる。異世界もののお約束として例えば、収納魔法(四次元ポケットのこと)、ステータス確認能力(筋力は幾らとか特殊能力を確認できる)、制作能力(鍛冶、薬、料理など)、テーム(tame、動物を手懐ける能力)はどれも大抵は「チート(強過ぎる、役立ち度がハンパない、という感じの意味)」能力扱いであった。

さて表題書。読みかけや途中で投げ出した本は無数に有るのだが、本書は久しぶりに読み通した真面目な本なので紹介したく

ここまで書いて中断し、数日間ほったらかしにしていたら、本来言いたかったことがどこかに行ってしまった。なので後日色々と追記するかもしれない。本書は量子力学の解釈の歴史を辿った読み物である。結構ボリュームがあるので途中少しダレはしたが、全体としてとても面白く読むことができた。科学の進歩は常に正しい(?懐古的に見たら、という意味で)方向へと前進するとは限らず、過去からのモーメント、つまり時代の流行に左右される。だけども時折、流行から外れた思考や興味を持つ人が突然変異的に現れ、何か新しい足掛かりや論争の種を残していくようである。ボーアを中心とする「コペンハーゲン解釈」(実証主義、モットーは「黙って計算しろ」)も20世紀に長らく分野を牛耳ったが、「実在」や宇宙に関してただ面白い仮説が欲しいだけの一般人にとっては、余りにつまらない解釈だと思う。