和菓子の京都

講談社選書メチエの『哲学するベートーヴェン カント宇宙論から《第九》へ』を読みだしたものの、どうにも興味を保って読み進めることができない。三分の一程読んだ後に読み始めたのが本書。室町時代から続く京都の和菓子屋の当主が、和菓職人としての心構えや先祖の昔話などを語る、という内容である。貧窮する御所の様子や、利休等との交流が言及される。別段興味があるわけでもない和菓子に関わる話題を、京都弁のゆったりした語り口調で読むのは、睡眠前の気楽な読書としては中々良いものである。そんな感じで読んだものなので、ここで言いたいことが見つからない。

『イタリア語の起源』も言いたいことが特に無い本であった。妙に「i」の音が多い?ように感じられるイタリア語の発音が、その元になったラテン語がらどうやって生じたか、動詞の活用がどのように変化したがが分かった(気がする)。中央集権化が遅かったので多様な方言を持つイタリア語において、トスカーナ語を基盤とする共通語は、ダンテ等の文学作品を手本として成長してきた。これは他のヨーロッパ言語にない?特徴だそうで、そのためダンテの時代(14世紀)から言語が大きく変わっていないらしい。

ところで、ここ最近はAudibleで再びイタリア語版ハリーポッターを聴いているのだが、やっぱり理解できない箇所が多い。英語でも一度か二度聴いたっきりで殆ど覚えていない第二巻目は特に。先ず語彙が足りていないように思う。耳が慣れるまでと思って流している間に、他に聴きたいタイトルが渋滞してしまった。