聖典クルアーンの思想 イスラームの世界観
こんな本を読んだよと言う報告のみ。『聖典クルアーンの思想』は旧約聖書等に記される預言者(ノア、アブラハム、モーセ、ダビデなどなど)がどの様にイスラム教義に取り入れられているかを解説したもの。読みやすくてなかなか面白かった。クルアーン翻訳の歴史と日本語訳(幾つもある)の紹介が特に興味深かった。ちなみにクルアーンにおさめられる言葉はムハンマドを通して神から由来すると考えられるため、翻訳はできない(してはいけない)とされる。なので、注釈とか意訳、と言うのが正しいらしい。
僕の出身地域の地誌である『播磨国風土記』、新訳が出たこの機会にと読んでみた。特に餝磨郡はピンポイントで僕の活動範囲だった地域でもあり、コレはあの丘のことか、などとかなり解像度が高く読めた。姫路という名は、難破船の積荷であった蚕子(ひめこ)が流れ着いた土地、に由来するそうな。他の地方に由来する名称も多く、古代の人々の移動性が高かったことが伺える。
以下は読み始めたばかりの本3冊。先ずは『理性の呼び声』。以前紹介した『ラインズ』の次に何を読もうかと考えながら書店を巡っている際に、まさに出版されたばかりの本書と目が合った。ボリューム(1000ページ弱)と値段に怖気付いて一旦保留し、同書店内の喫茶店でコーヒーを飲んだ後も未だ心惹かれるものがあったので読むことにした。ヴィトゲンシュタインの『哲学探究』が下敷きになっている様なのだが、僕はそれを読んでいないので足元が何とも覚束ない。例えるなら雨後に増水し濁った渓流に腰まで浸かり、足場を探りながら渡るような読書感である。面白そうなことが書いてあるのだが、それが分かるような、分からないような。根気強く読み続けられるとして、多分この夏中はかかりそう。
次に井筒俊彦英文著作翻訳コレクションの『クルアーンにおける神と人間』。ほんの冒頭箇所を少し読んだだけだけど、これは面白い。問題は、本書を読む時間が取れるかどうかである。紹介はそのうちに。
最後に、寝床本として昨晩から読み始めたのが、『ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ』。未だ一章の終盤に過ぎないが、これも面白く、寝る時間がずれてしまった。重くて手が疲れるのが難点である。それなのにこの値段。Audibleで聴きたい内容なのだけど、見つからない。