理性の呼び声 ほか

1、2週間ほど前になるが、5月中ばからほぼ毎日、少しづつ読んできた『理性の呼び声』がとうとう読み終わった。理解の方は最初の1ヶ月で諦めた。最近衰えてきている滑舌のトレーニングのために音読することにし、その結果、理解度はさらに低下。でも、なんとなく分かる箇所もあって、なかなか楽しかった。内容紹介の方は、ご勘弁願いたい。いくつもの主題が並行して展開され、中断したと思ったらしばらく置いていつの間にか再開されている、と言う感じで考察が進行する。著者の考察の流れが端折られずにそのまま書かれたような印象を受けた。さて、本書の主題は、「人間の声を哲学の中に呼び戻すこと」であるそうだが、そもそも「人間の声」とは何だったのだろう。共同体が共有する認識という意味かな? 間違いと言われてもしょうがない。無人島に持って行きたい本の最上位。

『概説北欧神話』は2日前から読み始めた。今月のちくま学芸文庫からは読みたい本が3冊出ていて、本書はその中の三番手だったのだが、一番を後回しにするのは僕の悪い癖というか、貧乏性のようなものである。淡々として結構面白いが、何だか曖昧でよく分からない神話体系である。多分いろんな地域に分散したヴァリエーションを統一しようとした結果かも知れない。アース神族とヴァン神族の関係性は天津神と国津神を連想させる。アース神族側はインド・ヨーロッパ語族系の侵入者を表すのだろうか。講談社選書の『地中海世界の歴史3』(ギリシャ)は何だか飽きてしまい、中程で中断してしまった。

『現代ドイツ語文法便覧』は本当に暇のある時に数ページづつ読み進める程度なので、先はかなり長い。何せ内容が細かい。でも、一気に読もうとせず、その結果ストレスが掛からない今のようなペースであれば、なかなか楽しい。本書は本命『ドイツ語古典文法入門』の準備として読み始めたのだけど、本命に取り掛かるのは相当先になりそうである。