シュメル―人類最古の文明
ふとした疑問から。数詞の「匹」と「頭」の使い分けはどの辺だろう。サイズは関係ある。僕は現存する爬虫類の全種に対して「匹」がしっくりくるけど、大型の恐竜などに「匹」は使いづらい。一方、爬虫類店の店員(の一部?)は爬虫類にも「頭」を使う。「頭数(あたまかず)」という意識だろうか。家畜という意識の強弱が関係しているかもしれないが、でも例えば家畜の代表である猫に「頭」を使うかな。使ってもおかしくない気もするし、何かもう一要素有りそうでモヤモヤする。愛玩性かな?つまり犬などと比べて猫はより幼児的で愛くるしいので小動物側に認識しやすいから、と。因みに中国語だと蛇は細長いものを数える数詞「条」を使う。とりあえずこの話はお終い。
少し前から、長らく使っていなかったkindleを引っ張り出し、過去に購入した電子書籍の一覧を眺めて色々と読み返していた。本腰を入れて少し読み込んだのが興亡の世界史シリーズの『興亡の世界史 地中海世界とローマ帝国』、『興亡の世界史 アレクサンドロスの征服と神話』と表題の『シュメル―人類最古の文明』。僕のkindleリーダーはoasisの初期型(合皮のカバーが脱着式バッテリーを兼ねたやつ)で、結構長い付き合いだと思って購入日を調べてみると、まだ6年に満たなかった。それにしてはクタビレ感が出ているのは、いろんな所で落としてプラスチックが剥げたりしているからである。このoasis機、それ以前に使用していたpaper whiteと比べると、画面をオンにした際の立ち上がりが遅く、バッテリーの減りも早くて不満だった。そろそろ買い換えたいと何時も思いながら、まだまだ使うのだった。汚さないように、壊さないように、という気遣いが要らないので気楽である。
上に挙げた『興亡の世界史』の2冊はシリーズの中でも面白い方だと思うので、気になったのならお勧めである。『シュメール』の方はより断片的な解説ではあるが、所々に興味を惹かれることが書かれている。例えば楔形文字。成立の経緯は漢字の変遷と類似していて、元々は印鑑を用いて押印する形象から発達し、より粘土板に葦を削ったペン先で刻みやすい形態へと変化した。初期の文字は曲線的である。文字のつくりも漢字と似ており、象形・指示や会意などに分類できる。最初はシュメール語を表わすために発達したが、シュメール人と(身分的な関係は分からないが)混在したアッカド人たちの言葉を表す文字としても採用されたほか、周辺民族の様々な言葉にも採用される。中には楔形文字をアルファベット的に、つまり音素を文字に対応させて用いた言語もあったらしい。フェニキア人のアルファベットより数百年前のことである。アルファベットは其々の地域で独立に発明されたかもしれないし、フェニキアは先例を真似たのかもしれない。今となっては不明。現在のアルファベットがフェニキア由来の一系統なのは、もう一方のアルファベット(的用法)を使う文明が多くの影響を後世に残さなかったからだろう。なお、あの辺りを発掘すると楔形文字が書かれた粘土板が無数に出土するが、表わす言語は多様なので、「粘土板読み」と呼ばれる専門家の随行が欠かせないそうな。カッコいいじゃないか。