Long Live Latin (Audible)

この前聴いたAudibleのタイトルが良かったのでちょっとだけ紹介。上に載せた”Long Live Latin” は著者のラテン語愛と古典著作家たちそれぞれの文章の特徴を綴ったエッセイであり、この種の本は日本語ではなかなか無いので面白く聴くことができた。著者はイタリア出身とのことで、たぶんラテン語は僕たちにとっての古典、例えば吉田兼好の日本語くらいの身近な感覚なのだろう。羨ましい限りである。本書は日本語訳でも読んでみたいところだけど、日本語で出版するには難点が一つあって、本文の約5分の1(体感)はラテン語原文の抜粋なのだ。ラテン語の朗読部分はいくつかの単語以外ほとんど理解できなかったけれども、聴けるだけでも十分である。

そのラテン語学習で最近読んでいるのがこれ。内容は以前に紹介したやつ(『しっかり学ぶ初級ラテン語』)よりも更に簡単に纏まっていて、語学にあまり慣れていない人なら本書がよりお勧めである。『しっかり学ぶ』で学習した人には本来不要な本ではあるが、僕は新しいもの好きなので、気分転換と復習のつもりで。格変化がなかなか覚えられないのだ。巻末に変化形の一覧表が付いているのがありがたい。本書の欠点は例文が少なく、学習用に作られた文であること。『しっかり学ぶ』の方はネイティブ(つまり本物のローマ人)が書いた文章からの抜粋であり、比べると本書の例文は魅力が無い。

Audibleで今聴いているのがこれ。古典ギリシャ語などの所謂「死語」の特徴と、それらを学習することに何の意味があるのか、といった内容で、序章を聴いた限りでは「サピア-ウォーフの仮説」(思考はそのとき用いる言語の特徴を反映する、という説)にも言及するらしいので、楽しみである。全くの素人である僕個人としては、「サピア-ウォーフ」は表層的には正しい部分があり、つまり思考内容の本筋が変わることは多分ないけど、その装飾は言語の影響を受けるかもしれないなあと思っている。それは色んな言語の学習入門書の中で登場する語彙に偏りがあるからで、上の様に思う根拠もその他にはあまり無い。現在は未だ冒頭部分、複数言語間の”s”と”h”の関係・変遷についての紹介で、妙に細かいので最後まで聴き通せるか心配になるのであった。