虹いろ図書館のへびおとこ
一気読み、楽しかった。転校を機にイジメが原因で学校に通えなくなった小学6年生の少女が、町の図書館で過ごすうちに精神的に一回り成長する、というお話し。元々勇敢で思い遣りのある子なのだ。読んだことがある、或いは名前だけは知っている有名な本がたくさん登場する点がまた楽しい。同じく不登校で図書館に通っていた中学生のスタビンズ君(渾名)が、出会い始めの頃はドリトル先生シリーズ全13巻を半年かけて読んでいたのが、後年主人公が高校三年生になって再会した際には、グインサーガシリーズ(40年以上続いている大変長い小説)第146巻を読んでいたことにグッときた。
指輪物語について図書館司書のイヌガミさんが言ったことは大いに同感する。つまり、物語は本から入った場合には、読んだその人だけの物語世界が広がるのだが、映画から先に入った場合は登場人物を含めた物語世界が映画に固定されてしまうので、本を読む前に映画を観るのは勿体無い、と。指輪の映画は確かによく出来ていると僕も思ったけど、本で感じた重層性(味わい)が消えてしまったのにはガッカリした。ハリーポッターも映画化以前に出ていた第4巻までとそれ以降とで、受ける印象が変わったと思う。そういうこと。
表題書には、同じ図書館を舞台にした続きが何冊かあるようなので、いつになるか分からないけど同様に文庫化された際には読んでみたいと思う。今一気に読んでしまうと勿体無いというか、恐らく飽きてしまうだろう。
ちょっと読みたい本が『トスカニーニ 良心の音楽家』。上下巻それぞれが5千円超するため、Audibleの方(原題は”Toscanini”)で済ませると思う。40時間と中々に長く、お得感が高い。今現在聴いているのはイタリア語版ハリーポッター第4巻の、”Triwizard tournament”(イタリア語でなんて言ってたかな?) 第2試練目。所々しか理解できなくて、ただ聞き流しているのみとなっている。