反転領域

読みかけの本が幾つも溜まる中で先週唯一読み終えたのが『反転領域』。久しぶりのSFらしいSF小説だった。物語は近代の帆船で、ノルウェーの北岸で発見されたとされる入江を目指す探検隊の描写から始まる。これがSF?、と思いつつ読み進めると、突如舞台はパタゴニア沖を航行する蒸気船に移る。登場人物や話の展開はノルウェーのものとほぼ同様。主要人物の一人の発言も何か含みが有り、この段階ではそれが何なのかはっきりしないものの、次第にSFっぽさが顔を出してくる。そんな具合に設定のアイデアに重心を置いた作品であり、これ以上内容に触れることは控えたい。そこそこ(5点満点の3点くらい)面白かった。
何の記事で知ったのか、約一月後に出版されるSF小説『宙の復讐者』が気になっている。そこそこのページ数ということもあって、値段が、一度読み切ったらそれっきりとなる娯楽小説の類では躊躇してしまう4千円台になっている。こういう場合に頼るAudible版も出ていないらしい。さて、どうしようか。