北人伝説

少し前に読んだ/聴いた本2冊を手短に。一冊めの “Eaters of the Dead”(『北人伝説』)は読んだのではなくてAudibleで聴いた。やや古い本である。時代は10世紀、アラブ人イブン・ファラッドは旅の途上でバイキングの一団と遭遇する。客人として彼らのキャンプに滞在していると、北のバイキング王国から救援要請が届く。文人である彼も占いによって勇士として選ばれ、12人の強壮な戦士と共に北方に向かうことになる。ファンタジー色は薄く(皆無とは言わないけど)、ワクワクするお話であった。なぜ今まで聴き渋っていたのだろう。5点満点中の5点。実のところ映画(『13ウォーリアーズ』、原題は “The 13th Warrior”)は繰り返し観ていて殆どのシーンを覚えているのだが、それでも楽しめた。お勧め。

2冊目は最近出版された、6遍の短編集である。乗れる乗れないが人によって別れる小説かも知れない。僕自身はSF要素のある4遍(『70人の翻訳者たち』、『神についての方程式』、『啓蒙の光が、すべての幻を祓う日まで』、『ちょっとした奇跡』)がなかなか面白く読めた。著者の頭の良さが伝わってくる。