Charles Darwin’s Barnacle and David Bowie’s Spider
少し前にAudibleで一聴したのみで中身をあまり覚えていないが、日本語翻訳版『学名の秘密』が先日書店に並んでいるのを見て少しだけ紹介したくなった。紹介と言ってもカバー絵を載せる他にそれほど書けることはない。カール・リンネが提案した二名法が学会に採用されて以来、新種生物の命名にまつわる話題を集めた本である。一般的に生き物の普及名、流通名は土地土地で呼び名が異なる。一方、学名は種固有の標識として全世界で概ね統一されている点にその価値がある。種の分類は結構変わるものなので、時代を通して統一されているとまでは言えないが。そんな学名の命名法がいい加減で、学問とは関係のない事情に左右されるものである事が面白く書いてある。例の一つでも紹介したいところではあるが、具体的な話題が何一つ頭に残っていない。そんな感じの、気軽な読み物である。日本語で読む場合は値段(約三千円)がネックになるか。
表題タイトル以上に面白かったのが下に載せる”Eager”. ビーバーに焦点を当てた本である。2019年 “E.O. Wilson Literary Science Writing Award” という賞を取っているらしい。ビーバーの活動が現在の北アメリカの景観や生態系、ヒトの経済活動にどれだけ影響しているかよく分かる。日本語翻訳版が有るのかは不明。