アッシリア 人類最古の帝国
なかなか面白かった。『地中海世界の歴史2 沈黙する神々の帝国 アッシリアとペルシア』の駆け足感に不満が残った人には、本書と『アケメネス朝ペルシア』は丁度良い口直しになると思われる。紀元前2千年紀にティグリス河畔の小都市アッシュルから始まった都市国家が、周辺地域を征服して世界史で最初の帝国となり、前7世紀末に崩壊するまでの、約2千年の歴史を紹介した内容である。前2千年紀から前18世紀までは古アッシリア時代、史料に乏しい暗黒時代を挟んで前14世紀から前11世紀は中アッシリア時代と呼ばれる。何処かで見聞きした覚えの微かに有るシャムシ・アダド、トゥクルティ・ニヌルタ、ティグラト・ピレセル1世はこれらの時代に登場する。続く新アッシリア時代にはアッシュル・ナツィルパル2世、ティグラト・ピレセル3世、サルゴン2世、アッシュルバニパル等が名を残す。アッシリアの支配は武力に基づく圧政で有名だが、征服地域の政治文化を考慮して剛柔使い分けた政策も採用したらしく、その後に興ったアケメネス朝ペルシャもこれを大いに手本としたとかしなかったとか。
以下は出版を待っている本2冊。1冊目は年初辺り?に古本で購入した『ラテン広文典』。長らく絶版だったものがとうとう復刊されるらしい。決して安くはないけど、僕が購入した値段よりは幾分か安い。まだ一月以上先ではあるが、読み終わってからもう随分と時間が経ち、かなり忘れてしまったので再読するのに丁度良いタイミングである。もう1冊は文庫版『百年の孤独』。予定は6月26日とのこと。文庫版の出版がこれほど話題になる本もそうそうないんじゃなかろうか。直ぐには読み始めないだろうけど、夏・秋の出張に持って行くのに良さそうである。
追加のもう1冊。何気なくドイツ語の初学者向け文法書を眺め出したところ、発音が心地よくてもう少し続ける気になった。もともと長いこと気になっていた『ドイツ語古典文法入門』の準備として、せめて現代文法を一通り思い出しておこうと思って目を通したのだったが、今月後半には『現代ドイツ語文法便覧』が出るらしいので、良さそうだったらそっちも読んでみようかな。