ユビキタス

本書は著者の過去作からの期待から、現在読書中の本を中断して読んだものの、今年年始から読んだ本の内で最も後悔した一冊となった。物語展開の合間に浅い蘊蓄が沢山並べられるが、結構いい加減である。最大の難点は、それらの蘊蓄によって解明されていく謎要素の核になるアイデアが、上手く纏まっておらず、また説得力のある形で説明されていない点である。拍付の為に巻末に並べられた参考文献の一覧が虚しく感じられた。ただ、中・高校生くらいだと楽しく読めるかもしれないので、余り腐さないで置く。たいして時間の掛かる本ではないので一応通して読んだけど、後半は斜め読みになってしまった。