ハクメイとミコチ 9巻(漫画)

休み中にまた蔵書を処分して、連載中の漫画で紙媒体として手元に置いているのは本作、『ハクメイとミコチ』のみになった。これは以前にも少し紹介したが、身長約10㎝の小人と言葉を操る動物たちの生活を描いた童話である。ほのぼのしたお話と丁寧に作り込まれた世界観、細かく書き込まれた絵がとても気に入っている。周囲の絵から浮いた感じの(人によっては可愛い?)小人の容貌も、今となってはもう慣れた。これの最新刊を購入するのはここ数年の年始行事となっていて、本年作(昨年連載された話なので2020年作?)、表題の第9巻は昨日、本屋に並んでいるのを見つけた。

これ迄も各巻に少なくとも1話か2話は特に気に入った話が有って、何巻収録か忘れたが、例えば炉端で夜を通して博打をする話、使い古したコーヒーミルが付喪神になる話、夜中から汽車に乗って釣りに出かける話、鼬とそのお友達が服を買いに行く話、などは特に好きな部類である。第9巻には一読してそういう「特に好き」なお話は無かったものの全体的に好みなものが多く、巻を重ねて安定感が増してきたのを感じる。第1巻、2巻では未だぼんやりとしていた世界にいろんな繋がりが出て来た。想像するに作者は最初に自身が思い描いた茫洋とした世界に細部を書き込んでいくという作業を楽しんでいる。それが分かるから、作品の背後に匂う作者の表現しづらい「気取り」も味わいの程よいアクセントなっている。この先、本作は個人的にいつ終わっても良い。もうそろそろ終了になったとしても、それはそれで心地よい余韻が残ると思う。一作品として有りである。

この類の漫画が好物なのは、小さい頃に『Dr.スランプ』の呑気な世界が大好きだったからかもしれない。マンガを読み始めたのはずっと後年なのでアニメの方である。何処となく相通じるものがある。因みに、何となく気取った書き方になったのは、表題作著者のセンスに当てられたか、或いは漫画『神の雫』をつい先日Amazon Unlimitedで読んだからであった。この漫画は気取った表現が満載である。最高のワインを探すお話なのだが、ワインを題材にそれだけ書けるのには感心した。余りに長いので第一巻を読んだのみ。

文字の本については、今現在面白い本を4冊並行で読み進めているが、これらを紹介できるのは暫く先になりそうである。内一冊は難しくて読み通せないかもしれない。